旅先で出会う素敵な人たち

2018年12月に放送された《東京→パリ》の旅ドキュメンタリー番組を少しずつ見ています。(大いなる鉄路)

最初は、旅の景色などを見たいと思っていたのですが、列車で旅をする旅行者や列車に勤務しているスタッフにフォーカスが当てられていて、それがとても心にしみる展開になっています。(まだ第1話を見ただけですが)

 

主に登場するフィンランド人の女性は、自分も旅をしていたらきっと友だちになるだろうな、と思う人でした。中国人女性や赤ちゃん連れ、ワンちゃん連れ、北極の道路工事をするために移動している男性、乗車時には怖い表情の女性スタッフ(車掌さん)も列車の中では、瞳の美しい素敵な女性でした。(モスクワでの降車時は、とっても素敵な笑顔) 偶然列車の窓に反射した撮影しているカメラマンの男性も優しそうないい人、という雰囲気でした。

 

そうして旅をする人々を見ていて、自分もさまざまな旅先で出会ったたくさんの人々のことを思い出していました。富豪層からほぼホームレスまで、男性も女性も、老若男女、人種も多種多様、さまざまな宗教や信念を持っている人びと、本当にいろいろな人と言葉を交わしたり、一緒に時間を過ごしてきました。それぞれの人が魅力的で、もちろん嫌なことも多々ありましたが、時間がたつと忘れるというか、気にならなくなるので、世界中にさまざまな人々があふれかえっているこの世界は、結構好きです。それぞれの言い分も理解できますし、無条件で、みな愛している、と突然叫びたくなるような感情に覆われることもあります。

 

番組内で、フィンランド人の女性が、フィンランドの子犬のおとぎ話をしてくれるのですが、彼女は行く先々で「優しく親切な人々」ばかりに出会うことを、友人に「どうして?」と質問したら、友人は「あなたが優しい」からだというようなことを話してくれた、と言います。彼女が「周りに優しさを運んでくる」といったような。本当にその通りだと思いました。その女性は見るからに、それ以外の何者でもなく、彼女に限らず、優しい人は周りを優しくするものだと、私も身の回りで経験済みです。そういう人々は憧れでもあり、そういう人になりたいな、といつも思っています。

 

たぶん2013年のお正月だったと思います。ニュージーランドにかつてオーストラリアの銀行家が建てた唯一とも言えるヨーロッパ風のお城(宮殿といった方が近いかもしれません)があります。ヨーロッパの有名なお城ほど大きくないのですが、個人が建てた屋敷としては十分な広さのところです。それが何かの理由で、その建て主から、今の所有者に変わり(たしかその間、かなり荒れていたということです)新しく所有した家のご婦人が、特に庭や周りの自然環境を手入れして、今ではホテルとして営業しているところに宿泊しました。

 

私は一人だったので、珍しがられましたが、ニュージーランドの若いカップルと仲良くなり、一緒に食事をしたり、軽い雑談をしていました。そこではディナータイムに、この城の歴史の説明があり、よく憶えていないのですが、たぶんオーナーではなく常連のお客様の紳士がホスト役で、ディナーが始まったように記憶しています。彼は家族と来ていて、他はご夫婦カップルなどが多かった感じです。もちろん仲良くなったニュージーランドのカップルもいました。

 

あるオーストラリアの男性が左隣に座り、私に「日本の捕鯨やイルカ漁をどう思うか?」と結構シビアな質問をしてきました。私自身、クジラやイルカの本来の使命を知っていますし、動物たちの命の問題には、結構シビアな意見を持っていますが、反対派の彼と日本の政策と、両方とも理解できる、自分にできることはどんなことがあるのか etc.といったような返事をしたように記憶しています。もちろん私の英語力ですから、たどたどしく、少ない語彙で、どのくらい通じたかわかりませんが、最初は少しケンカ腰だった男性の態度が変わり、最後は笑顔になったので、よくわからないけれど、まぁいいか、と私は思いました。もしかすると、この女性は英語がよくわからないから、これ以上何を言っても無駄かな?とあきれられたのかもしれませんが。(笑)

 

その男性と同席していた奥様と周りの人々が一瞬凍り付くような雰囲気で始まった私たちの会話は、何とか普通のディナーの場へと移行していきました。その後、そのオーストラリアの男性から「オーストラリアへ来たら、ぜひうちに遊びにおいで」と連絡先をもらいました。もちろんお隣の奥様も、私の顔を見て微笑んでいました。よくわからない展開でしたが、ありがとう、とそれを受け取りました。(本当に行くつもりはなかったですけど。よくわからないな、と)

 

彼らが先に退席したか、他に興味が向くかしたときに、右隣の人と筋向かいに座っていた友人になったニュージーランドのカップルから「大丈夫?」と声をかけられました。彼らの話を聞くと、どうやら彼らは、私が激高し、議論になる、と想像していたようです。議論も何も、それをするだけの英語力が私にはない、とも思いましたが、そのオーストラリア男性の言いたいことはわかりますし、違った文化でそういう意見になるのもわかります。クジラやイルカ漁について「これは日本の文化!」と言い張るつもりもありませんし、ただクジラやイルカが、その使命を全うできるよう、自分にできることはやりたい、ということ以外何もないので、どうしたものだか、という感じだけでした。

 

特に右隣の人は、何か感銘を受けたらしく、それを見て私は、日本人の感性は、世界でいい触媒作用をもたらすのかもしれない、といろいろな日本の方に世界に出てほしいな、と思いました。

 

そんなことを思い出しながら、番組のフィンランドの女性がモスクワでカメラマンに何度もサヨナラをする姿を見て、あ〜久しぶりに、私も旅に出たい!という気持ちになりました。いろいろな人と出会い、そして私も実は「優しい人、親切な人」にたくさん会っているので、そういう人々のいる世界を、これからも愛していきたいな、と笑みが浮かんできています。

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